【読書】ウルトラマラソンの快楽には理由があった:ドーパミン中毒 アンナ・レンブケ
最近お酒の量が増えてきてたので、なんとかしたいなぁ~と思っていた頃、書店で見かけた本。表紙に引き寄せられ、手に取って冒頭の章「はじめに」をペラペラめくると、「過剰摂取してしまうことをどうやったらやめられるのか、その実践方法を本書で提供できればと願っている」、との一文が目に留まり、思わず衝動買いしちゃった。
書名 ドーパミン中毒 (Dopamin Nation)
著者 アンナ・レンブケ
訳者 恩蔵綾子
初版 2022年10月
個人的には、あまり目新しい内容がなかったけど、折角なので、琴線に触れたことを残してみます。
1.ドーパミン経済
現代の我々は、快楽をビジネスにする「ドーパミン経済」の渦中にいる。
現代人が陥る快楽系依存は、下記など数限りなくある。
快楽系の例
- 恋愛
- セックス
- 買物
- ゲーム
- SNS
- 酒
- ギャンブル
- 薬物
本書の冒頭の章「はじめに」、この章の書き出しに添えられている下記のフレーズが、この「ドーパミン経済」の本質を上手く表していて、気に入った。
いい気持ちだ、いい気持ちだ、
世界の全てのお金はいい気持ちになるために使われる
リヴォン・ヘルム
調べてみると、アメリカのミュージシャンLevon Helmの2007年の曲の歌詞。
Feelin' good, feelin' good
All the money in the world spent onl feelin' good
Feelin' good by Levon Helm (2007)
初めて聞いてみたが、昔ながらのアメリカンロックで心地よい味のある曲だ。
2.快楽と苦痛はシーソーのように働く
シーソーの苦痛側に力をかけることで、その反対の快楽の側にいくことになる。苦痛から得られるドーパミンは間接的で、より持続的だそうだ。
苦痛系の例として、以下が挙げられている。個人的にハマっているウルトラマラソンが例に取り上げられていたのには笑った。確かに苦しいけどそれが快感なのだ。
苦痛系
冷水浴の依存症になった患者のセリフに「生きている感じがするからやる」とある。まったく同じことを感じる時がある。自分もかなりの依存症かもしれない。
高いエントリー費を払ってウルトラマラソンに参加するなんて、「ドーパミン経済」の罠にしっかりと取り込まれている自分がいる。
3.肝心のやめる方法
本書では、3つのセルフバインド(自分しばり)戦略、物理的戦略(空間)・時系列戦略(時間)・ジャンル戦略(意味)が提案されている。要するに、ハマっているものから、①物理的な障壁を作り近づけなくする、②使用時間を制限する、③連想させるものを制限する、ってことらしい。
「今やめなかったら一生このままかもしれない」
依存症の患者が、回復しようと決めた瞬間の言葉がグサッときた。この言葉が一番堪える。
4.原題 Dopamine Nation
直訳すると”ドーパミン国民”、これを”ドーパミン中毒”と訳すセンスが気に入った。
以上、とりとめのない、備忘メモ。メインブログに載せるに及ばず。
ではでは。